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日本は、世界で唯一、国民全員に「色盲検査」を課してきた国です。ここでいう「色盲」とは、「信号色の見分けがつかないため鉄道・船舶に従事させてはならない人」という意味で用いられた語です。つまり、一律職業制限を行うために「学校で色盲検査」を実施してきたのです。それは、現在でも「色覚検査表が読めない児童生徒には、『色覚異常』を自覚させ、職業制限を伝えることが必要だ」として、色覚検査を受けることを勧める学校や自治体が数多くあることにつながっています。
1870年頃、西洋から少数色覚の存在が日本に伝えられてから、石原式検査表が誕生し、それを使用して全児童生徒に検査が行われるようになるまでには約50年という年月があります。この間の色覚検査の歴史は、これまでほとんど論じらることはありませんでした。本書は、それを詳らかにしようと試みたものです。
石原式検査表が生まれる以前はどのようにしてきた? また、少数色覚が原因となった事故が数多く起きたというが実際は? なぜ学校で行われるようになった? その歴史を紐解いていくと、今と異なる当時の考え方や、熱心な眼科医とその熱意を引き継いでいこうとする医師のリレーの様子なども見えてきます。
既刊の「ラーゲルンダの鉄道事故・・・」に続く「色覚検査の歴史2」として発刊しました。
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B5版 ソフトカバー 85ページ
定価 2,530円(10%税込)
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